今やあらゆるビジネスシーンに欠かせないツールとして定着した名刺。中でも、会社に所属している人が活用する『法人名刺』は、名刺という市場の中でももっとも大きなジャンルのひとつと言えるのではないでしょうか。個性というものが非常に重視されるようになった世相を反映してか、会社という組織を体現する名刺においても、多様な個性を感じさせるデザイン名刺が主流になりつつありますが、仕事という公的な要素の強い場面で使われるアイテムですから、やはりTPOは弁えたいもの。個性を重視するばかりに法人のイメージを損なうような事態は本末転倒です。ここでは、法人で使用される名刺でおさえておくべき注意点や、こだわっておきたいデザイン上のポイントについて考えていきましょう。

常に第三者の視点に立って考える

デザイン名刺という分野が法人名刺にも浸透してきた昨今、インパクトや個性ばかりに拘った結果、取引先やお客様に与える印象が不本意なものになってしまっている例をしばしば見かけることがあります。プライベートの場で使用するものとは違い、ビジネスで使用する名刺は、その後の仕事や取引における印象をも左右する可能性を持ったツールですから、こういった失敗はできるだけ避けたいものですね。例えば信頼性が重視される職種の名刺に浮ついたカラーリングを多用したり、高価な商品を扱う職種の名刺に経費節減を重視した安価な台紙ばかりを使用することは、本来お客様に与えたい印象と真逆のイメージを誘発してしまう可能性も少なくありません。法人で使用する名刺は、自分が落とし込みたい個性の前に、まずはお渡しする相手にどのような印象を与えるかという『第三者視点』にこだわってみましょう。

情報伝達をおろそかにしないデザインを

ビジネスで使用する名刺の場合、やはり「伝えたい情報をきちんと伝えること」が最重要課題になります。例えば修理業者などを例にとってみると、故障などの緊急時に名刺を見てすぐに電話をかけてもらえるようなデザインが理想と言えるでしょう。しかし、個性を重視するばかりに肝心な電話番号が見づらい、小さいなどという事態になれば、依頼の電話は別な業者のものになってしまうかもしれません。法人名刺は特にこういった点に注意し、可読性を損なわない範囲で個性を発揮することができるデザインを心掛けると良いでしょう。一言でデザインと言っても、単にレイアウトやカラーリングだけではなく、台紙の種類やインクの種類、加工などにこだわる方法もあります。ファイリングされたたくさんの名刺の中でも目を惹き、なおかつ伝えたい情報を伝えることに重点を置くことで、法人の名刺は大きな失敗を免れることができると言えるでしょう。